現場で行う発掘調査だけでなく、発見された人骨を詳しく調べたり、墓を埋めていた土の成分を調べるなど、様々な自然科学分析を加えることによって、発掘調査の成果を裏付けたり、現場でわからないことが判明したりもします。
たとえば古墳時代の前半、古墳にはその地域を治めた人物 (たいていは成人の男性)が埋葬されていました。やがて古墳時代の後半になると古墳の一種である横穴墓が造られますが、この横穴墓に埋葬された人骨を調べてみると、女性や子供が含まれることも多くあり、家族(一族)の墓であったと考えられています。
人の全身の骨は基本的に同じ構造ですが、各部位の骨の形や大きさなどには年齢、性別、体格による違いが見られたり、ほかにも遺伝による特徴や病気の痕跡、さらには食生活や労働による違いなどの情報を持っていることもあります。これは歯についても、ある程度は同じです。
ほかにも骨や歯には、当時の人々の生活や習慣の情報が、まだまだたくさんかくれているかもしれませんね。