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これはどうしても縄文が勝っちゃうと思います。全然違います。まあ、お米がないのが今から見るとちょっと残念かなってとこですかね。お米がないと美味しい日本酒もないですからね。でも果実酒があります。それ以外は今よりも美味しいです。縄文になって、旧石器時代より多く食べるようになったのは、海の幸。貝とかアワビとか赤貝とか、縄文の方が暖かいですから。東京湾でも今より獲れたと思います。それから当然ドングリやクリなどの堅果類。基本的に西日本の方がドングリをいっぱい食べて、東日本、関東の方はクリが多い。後期くらいからはトチノミを食べています。
トチノミはちょっと苦くてそのままではアクが強いから、水さらしが必要で、水さらしのための水場遺構が見つかっています。堅果類を水でさらしてアクを抜き、石皿と磨石で殻をとって潰して、粉にして食べます。縄文クッキーとか縄文ハンバーグとかが出土することがありますが、粉にしたでんぷん質と、動物の肉を挽肉みたいにして混ぜて、それにサンショウなどの調味料的なものを入れる。砂糖系はないから甘味は少ないですが、味のバリエーションは相当作れる、相当なグルメの世界です。まあ、これは縄文の圧勝に決まったかな(笑)。(小林)
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あのー、縄文おいしそうだけど、なんかこう、ベジタリアンにちょっと近いのかな。これに対して旧石器時代の本州には、今と全く違う動物がいました。大きいのはナウマンゾウ。後期旧石器の前半くらいで絶滅していきますけれども、オオツノジカ、ヘラジカ、今では本当に寒い地域に行かないとみられないようなものから、ステップバイソン、毛の長い野牛もいました。寒冷な気候に適合した、かなり大きいサイズの動物がいて、これを狩猟します。一匹獲れれば結構な肉の量ですから、それをみんなで分けて食べたんでしょうね。北海道にはマンモスがいました。帯広あたりの平野部にはマンモスステップと呼ばれるような、マンモスが好む草原環境が広がっていて、そこをマンモスがのしのしと歩いている。そんな光景だったと思います。マンモスだって狩猟対象です。だから当時はかなり肉依存の生活です。お肉好きな方、いらっしゃいませんか?(笑)最近では炭水化物フリーといって、炭水化物を避けて、タンパク質を多くとる食事の方がなんかいいのではないかといわれてますよね。ドングリとかクリなんて炭水化物ですけどね、当時は寒さにも耐える身体づくりの必要もありました。お肉好きのグルメの方、ぜひ旧石器に一票入れていただけたらと思います (^o^)。(長ア)
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日本列島の旧石器時代は4万年くらい前から1万5千年前の間を指します。この時期はすべて氷期ですが、その中でも何回か暖かい時期があって、その時には現在の気温くらいまで気温が上昇しています。氷期、間氷期が繰り返されると、環境としては非常に安定しない。動物相や植物相もそれに応じて変わってしまうわけで、人々はそれに適応しなきゃいけない。そういう意味ではなかなか厳しい時代であったかも知れません。一番寒冷だった2万数千年くらい前の時期の日本列島と周辺の地形をみると、朝鮮半島から中国の南部っていうのはもう、くっついてしまって、ひとつの大陸棚が広がります。日本列島は、九州、本州、四国はくっついてしまってひとつの島、古本州島になります。東京湾も瀬戸内海もありません。もうあの本四連絡橋とか要らないですね、陸続きですから、真ん中に川が流れてるだけですから。東京湾はありません。真ん中に利根川の深い谷があるだけですので、海底トンネルを使う必要もないですね。対馬海峡はまだ海が隔てていますね、それから津軽海峡もくっつきません。これは140mと水深がたいへん深いので、ここには海峡が残ります。北海道はサハリンとくっついてサハリンは沿海州とくっつきますので、北海道サハリン半島と呼ばれるような半島となっています。だからマンモスもヒトものしのしと歩いて、海を渡ることなくやって来る。わずかに津軽海峡がある。ですが非常に細い海峡なので、平気でヒトが渡ったりします。そういうかたちで北からの移動は常にありました。人類はかなり早い段階から、ホモサピエンスになると、海を渡るということを行うということがわかっていますので、狭い海峡は苦も無く渡るんだろうと思います。ただ、やはり海峡がありますと文化的には障壁になりますけれども、寒冷期にはヒトの移動が非常に容易に行えたというのが、この寒冷な氷期の時期の特徴となると思います。 (長ア)
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氷期が終わって、縄文の頭のあたりに温暖化があったわけなんですね。だいたい1万5千年くらい前に土器が発明されて、縄文時代になりますが、ちょうどその頃に氷河期が終わって温度が上がります。これは酸素同位体比で測っています。グリーンランドの氷床コアでの計測ですが、世界的な上昇で、日本列島でも同様に上昇します。その温度上昇が100年間に8℃も上がったんですね。現在の温暖化どころじゃない、大変な騒ぎですね。しかもこの時大変なのは、暖かくなって、また下がるんですね。この主要因は太陽活動自体の変動といわれています。太陽活動自体が10万年周期で強くなったり弱くなったりするその影響なんですけどね。急速な温暖化の後、揺り戻しがあって一旦氷河期と同じくらい寒くなります。1500年後にマイナス8℃と云われています。その後100年間で再び8℃近い急上昇があって、氷河期が終わります。この時の温度上昇は縄文前期頃にピークを迎え、今よりも平均気温は2℃くらい高くなります。現在問題になっている温暖化の話では、今後100年間で2℃の上昇を防ごうということをいいますから、この時の温暖化のすごさが分かります。結果として動物相、植物相が大幅に変わっちゃうわけなんですね。さきほど長ア先生のお話にあった旧石器の大型獣ってのも、この変化でほぼ絶滅するわけなんですね。日本列島ではもうちょっと前にマンモスとかナウマンゾウとかはいなくなっていたけれども、オオツノジカとかヘラジカとかもこの辺では完全にいなくなって、イノシシとかシカの中型獣が増える。植物相も、今までのツンドラみたいな感じの様相だったのが、日本海側でまず最初にブナ林が広がって、その後今の日本列島と同じように照葉樹林と落葉樹林が広がって、ドングリとかクリが多くなる。この時の急速な環境変化に対応するのは大変だったはずです。だけどこの段階に日本列島ではすでに土器を持っていたので、急激に増えていった植物性資源を食糧に加工して、動物性食料依存から、植物性食料依存にチェンジすることができる体制だった。だから日本列島では旧石器時代から縄文時代へ比較的スムーズに適応できている、というふうに考えています。(小林)
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