水場と集落との関係

 丸山B遺跡の水場遺構から上流300mの神田川右岸の台地上には、お墓や祭祀などを伴う遺構集中部(丸山A遺跡)が調査されています。中でもお墓は、長軸2〜2.5m程度の、平面形が小判形を呈するもので、中に浅鉢形の小型土器が、概ね1基に1個体づつ副葬されています。お墓は長軸方向を揃えて、直線的に並ぶように6〜7列に配置されており、一帯が墓域と考えられます。

 墓域の傍らには、土坑の内部の土が焼けただれた焼土遺構群があり、焼土には細かく砕かれた獣骨が多量に含まれていました。
 焼土遺構の近くからは、土偶も出土しています。

 これらの遺構群付近では、まだ明確な住居跡は見つかっていませんが、大量の土器が出土することから、集落遺跡に隣接した遺構群であると考えられます。水場遺構から出土する土器の時期は、この遺構群出土の土器と同時期のものを含むため、墓域及び祭祀遺構を含む居住の場と水場との関係が明確に捉えられる、非常に貴重な遺跡群であることが判明しました。

 丸山A遺跡の土器群と土偶は、平成16年に三鷹市の指定遺物に指定されています。






直線状に並ぶ土坑墓の列




焼土遺構