丸山B遺跡の調査vol.1

 平成25年5月〜6月末までに行われた丸山B遺跡の調査は、かねてよりその存在が予測されていた、縄文時代の低湿地遺跡を初めて大々的に調査するものでした。
 
 この調査では、神田川が作った低地内の、支流のひとつと考えられる河道が見つかりました。河道の北側には、高台から降りてくる斜面とテラス地形が広がり、斜面の一部には固いローム層を階段状に掘って河道に降りられるようにしてありました。

 河道内は、大型の木材が川の流れと直交して、水をせき止めるように配置してあり、河底には土器や石器と、加工された木材やクリやトチなどの種子が大量に埋まっていました。
 河道を渡った南側は、僅かに標高が高く、常には水が流れないような区域がありますが、その微高地には、細かく割られた土器と、焼かれて砕かれたシカやイノシシの骨が敷き詰められており、滑りやすい粘土質の地盤を強固にし、水辺の作業を行いやすくしていたものと見られます。

 水場遺構は、通常トチやドングリのあく抜きのための施設と考えられていますが、丸山B遺跡の水場遺構は規模が大きく、木材加工など、多機能な場である可能性があり、また使用された年代も複数の時期に渡るとみられています。詳細年代や遺跡の性格についての分析は、平成27年春頃まで行われる予定です。




丸山B遺跡の水場遺構



空中写真から読み取った地形図