旧石器時代
港川人:沖縄県具志川村港川遺跡から出土した日本でもっとも保存状態のよい旧石器人骨
CTにより骨の歪みを補正した復顔
提供:国立科学博物館 |
補正した人骨に基づく復顔
提供:国立科学博物館 |
港川人は出土地層から約2万年前と推定されています。
顔の彫りが深く、手足が長い特徴は、縄文人と通じることから、これまで縄文人の祖先ではないかという位置づけがされてきました。
CTなど最新の技術でみつかった、当初の復元のゆがみを補正すると、むしろ縄文人とは異なる特徴が顕著です。
現代人と比べると、むしろ、オーストラリア先住民やニューギニア人に近い風貌となり、日本列島人の形成の研究に一石を投じる結果となりました。 |
縄文時代
縄文時代人の特徴 |
頑丈な体型
顔高が低く、顔の幅が広い
顔の彫りが深い
身長が低い(男性158p女性147p) |
歯は鉗子状咬合かんしじょうこうごう
(毛抜き状のかみ合わせ)
現代人より歯が小さい
家畜として犬を飼っていた |
弥生時代
弥生時代人の特徴(渡来系・縄文系の2つのタイプがいる) |
渡来系弥生人(西日本や中国地方から近畿地方 |
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縄文系弥生人(東日本や南九州) |
顔高が高く顔の幅が狭い |
⇔ |
顔高が低く顔の幅が狭い |
顔面が平坦 |
⇔ |
顔面の彫りが深い |
身長が高い |
⇔ |
身長が低い |
鋏状咬合きょうじょうこうごう |
⇔ |
鉗子状咬合かんしじょうこうごう |
現代日本人の起源に関する説
変化説:縄文時代人から、環境などの影響を受けながら次第に変化した。
置換説:縄文時代人は絶滅し、弥生時代人に置き換わった。
混血説:おもに、縄文時代人と、渡来系弥生時代人との混血があった。
⇒変化説、置換説は否定され、今では混血説が支持されている。 |
mt-DNAの研究
mt-DNA ミトコンドリアDNA 細胞内の器官のひとつ(ミトコンドリア)の中にあるDNA。母親から子どもに受け継がれる特性から、系統を辿るための研究が進められています。
DNAによって系統を辿る研究は、他にY染色体(父系)や核DNA(父母から一対を受け継ぐ)が知られています。
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M7a・N9b:南方系、縄文人から多く検出され、渡来系弥生人には含まれない。
N9a:大陸系、渡来系弥生人には多く検出され、縄文人には含まれない。
現代日本人からは、M7aもN9aも検出されることが多い。
←mt-DNAのハプログループ(型集団)
篠田謙一 2016 『DNAで語る日本人起源論』P.199に加筆 |
古墳時代
古墳時代人の特徴
現代人よりは「えら」が張っている。
鋏状咬合 きょうじょうこうごう (はさみ状のかみ合わせ)
身長が高い
顔面は縄文と弥生の中間型
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羽根沢台横穴墓群(三鷹市大沢)12号墓A人骨
※この人骨のかみ合わせは鉗子状咬合(個人の特徴) |
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