北野村が鎮守としていた神社は、下仙川村にあった八幡社( 調布市緑ヶ丘2-5-5)です。菩提寺は、昌翁寺(しょうおうじ・ 調布市仙川町3-1
)でした。八幡社の創建時期は不明ですが、『風土記稿』によると、次のように記されています。
八幡宮、社地除八畝で村の北にあり、二間四方の覆屋、神体木像一尺二寸、昌翁寺持
八幡社の境内には富士講碑が立っており、その銘文には、北野講中の7名の名が刻まれています。富士講とは、江戸時代に流行した富士山とその神霊を対象とする信仰で、富士詣りを行なったり、富士山に似せた築山を築くこともあります。
昌翁寺は、下仙川村を治めていた飯高主水貞政が、建立しました。飯高貞政は今川義元の家臣でしたが、後に徳川家康に仕え大阪の陣の戦功により旗本となり、下仙川村を収めることとなります。門前には元禄時代(1688〜1704年)の庚申塔2基と宝暦(1751〜1764年)の廻国塔が並んで建立されています。
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