縄文時代の三鷹の財政力指数を教えてください。都内何位かで答えてください。

回答)三鷹市の財政力指数は都内第1位(縄文時代・面積比補正)です。

説明)自給自足経済の場合、財政力指数は1.0が原則となるものと考えられます。1.0を上回る場合、余剰生産物を人口増に回すと集落の規模が大きくなり、また翡翠や黒曜石のような、交易等による輸入品の増加に向けることも考えられます。

一方財政力指数が1.0を下回る場合には、飢えるか、その場では暮らせないので引っ越すか、つまり集落の廃棄に直結するでしょう。このため、当時の財政力は、交易財などの出土量が多いほど、または遺跡の数や規模が大きく、遺跡の存続期間が長いほど、指数が高いと判断できると考えられます。

ここでは遺跡数による比較を試みます。縄文遺跡数を単純に比較すると、狩猟採集経済の基盤となる面積の広い市が断然有利となり、八王子や町田などがトップクラスといえます。しかしこれらの市には丘陵地が多く、大規模遺跡が意外と少ないのに対して、三鷹市域には、全国有数の縄文遺跡の密度を抱える野川流域や、井の頭池周辺など縄文遺跡の立地環境が特に整っていることも事実です。

ここで縄文集落遺跡の多い都内5区市の、1平方キロ当たりの縄文集落数を比較してみましょう。(東京都遺跡地図2004年版 平成14年度農林水産省統計データ 世田谷区財政課資料より)

区市名

縄文集落数

面積
(平方`)

縄文集落数/
1平方キロ

財政力指数(参考)
(平成14年度)

八王子市

97

186.31

0.520

0.98

町田市

50

71.6

0.698

1.09

世田谷区

31

58.08

0.534

0.81

三鷹市

16

16.5

0.969

1.16

小金井市

8

11.3

0.708

0.94

 

 この結果、面積当たりの縄文集落数では、三鷹市の第1位が決定しました。ちなみに2位は小金井市となります。

もちろん、縄文時代に「三鷹市」という区分は存在しませんから、この結果は、湧水に恵まれた三鷹市域の自然環境の良さ、を裏付ける、ということになります。
 今回は、遺跡数のみの比較でしたが、遺跡の存続期間や、交易等による搬入品の量などの比較も、機会があれば行ってみたいと思います。

ところで、財政力指数が1.0以下になると、即集落が廃止される?縄文時代も厳しいですね。もっとも、私たちが考えるほど、単純な社会ではなかったら?‥自らが飢えても、輸入品や輸出品を増やすこともあったかもしれません。

※ 財政力指数=基準財政収入額÷基準財政需要額

財政力指数は、地方公共団体の財政基盤の強弱を示す指数で、標準的な行政活動に必要な財源をどれくらい自力で調達できるかを表すものです。普通交付税の算定基礎となる基準財政収入額を基準財政需要額で除して得た数値の3ヶ年平均値をいいます。
  財政力指数が小さいほど地方税の収入能力は低く、交付税への依存度は高いということになります。

ねこどびんです!
Q&Aのトップへ戻る