−本物を見たぼくの感想−
縄文土器には、あっとう(圧倒)された。
石器は、にぎってみたいと思った。
・・・そんなところです。同じ縄文時代の展示品なのに、土器と石器で感じかたがちがうのはどうしてなんだろう?お父さんに言ったら、「それはもしかして、ものすごく重要なことかもしれない」って言ってたけど、なんだかよくわからないや。でも、そういうふうに感じたってことは、忘れないでいようと思います。
ぼく: あ、縄文土器。
父 : ・・・・・・。
ぼく: ・・・・・・。
ぼくも、お父さんも、なんだか黙ってしまいました。
・・・本物って、すごい。
ぼく: ドングリだ。
父 : ああ、この前調べたよね。あの『石皿(いしざら)』と『磨石(すりいし)』ですりつぶすんだな。
ぼく: なんだか普通の石コロみたい。発掘のひとたちって、よくあれが「石器」だってわかるね。
父 : 確かにシロウト目にはわからんな。・・・あ、でも、あの『スタンプ形石器』ってやつは、なんとなくわかるよ。にぎりやすいように、打ち欠いているんだろ?
ぼく: あ、ほんとだ。・・・にぎってみたいな、ダメかな?
父 : そりゃ、ダメだろ。とっても貴重なものなんだから!
ぼく: 遺跡を調査するひとになったらさわれるんだよね。・・・なろうかな。
父 : え?ほんとに?
ぼく: あれ、顕微鏡があるよ。
父 : のぞいてごらん。
ぼく: 土器を顕微鏡で見るの?・・・あ、何かきらきらしてる!なに?これ。
父 : 「金雲母(きんうんも)」だって。鉱物の一種だな。・・・へえ、土器を輝かせるために、意識的に粘土に混ぜたんだって。・・・その手があったか!
ぼく: 混ぜたかったね、「きんうんも」!
父 :・・・しかし手に入れるのが大変だよな。
ぼく: あ、これ、パネルの土偶だね。
父 : 表情の作り方がすごいね。・・・何か怒ってるのかな?
ぼく: 土偶って、人形なの?
父 : おもちゃとしての人形とは、ちょっと違うみたいだよ。
ぼく: あ、土偶のレントゲンだ!
父 : ・・・ふうん。あらかじめ壊すことを想定して作った可能性があるんだって。
この前は自分たちの作品のことで舞い上がっていて、他の展示をあんまりちゃんと見られなかったので、今日は「本物」をゆっくり見よう・・・というのが本日のぼくたちの「こんせぷと」です。
9 本物ってすごい