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石器つくり(イラスト解説版)

(母岩別資料Sh-17)

この接合資料は、多摩川水系で採取可能なチャートを石材としており、接合重量約400gで、ほぼ原礫の状態にまで工程が復元できた資料です。
  出土地点は、三鷹市羽根沢台遺跡の(立川ローム)Z層中です。 羽根沢台遺跡Z層から出土した石器の多くは、チャートや珪質頁岩など、在地で採取される石材で占められており、黒曜石などの良質の石材は、ナイフ形石器などの完成された石器や石刃状剥片などの持ち込みにほぼ限定されています。
 この時期には、縦長で規格の揃った剥片を連続的に剥ぎ取る石刃技法が既に確立していましたが、
このような技法は黒曜石などの良質な石材にしか適用されず、あまり良質でない石材からは、規格の揃った石刃を大量に生産することはできないため、石刃技法とは別の数種類の剥片剥離法が、石材に応じて使い分けられていることがわかっています。
 本例は、中でも比較的石材として良質であるためか、随所に(例えば工程BDFH)連続して規格の揃った剥片を剥ぎ取ろうとした様子を窺うことができ、それ以外の工程は、連続して剥片をとるための計画的な準備作業と考えることができるため、石材に応じて技術を柔軟に適用する、当時の石器つくりの技術を伝える好資料です。

―三鷹市羽根沢台遺跡Z層石器より―
剥片つくりの工程
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