[本書の要約・見所]
本古墳は昭和期に一度調査が実施されたもので、今次調査はその再現を試み、古墳の性格、形状、範囲等の確認と合わせて将来の保存・整備・公開のための遺存状況の把握を目的とした再確認調査です。
新たに発見された胴張り形態の玄室と、前室・羨道・墓前域からなる横穴式複室構造の古墳であること、石室は軟質の切石積みで、墓前域は自然石による「ハ」の字形形態を呈すこと、墳丘は掘り込み地業後に版築状の互層をなす土盛り工法であること等が判明しました。
第1段平坦面は4方位に周溝が巡る25〜31mの方形を呈し、2段目は径約18.6mの円形墳丘を構成するもので、上円下方墳の一類型に位置づけられます。
玄室からは7世紀第3四半期と考えられる湖西産長頸瓶1点と土師器坏2点が完形で発見され、当古墳の築造年代を決定づけています。
同じ古墳時代終末期に作られた武蔵府中熊野神社古墳との比較検証から、南武蔵における首長墳墓のあり方を検討しました。
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