[本書の要約・見所]
御塔坂横穴墓群は武蔵野段丘の南端、国分寺崖線に構築された横穴墓の一つです。昭和37年の発見以来、17次にわたる発掘調査で19基の横穴墓が確認されています。
今回調査された横穴墓のうち、7号墓は玄室の一部が既に消滅していましたが、金銅製耳環1点が出土しました。8号墓は長台形の玄室床面に4,300個以上の敷石が施されたもので、その上から5体分の埋葬人骨が出土しました。9号墓は石列と床面の段差で玄室内が3区分される形態で、4体分の埋葬人骨とともに刀子1点が出土しました。これらにおいては、墓内外の堆積土に含まれる花粉を分析し、献花の検証を行いました。
本書には、墓群内における横穴墓の配置や標高、横穴墓の各部位の寸法、出土遺物、調査履歴や掲載文献など墓群全体が分かるための資料がまとめられています。また、三鷹市を含めた多摩川上流域の3大横穴墓密集地域について、内部形態の変遷や付近の高塚古墳の横穴式石室との関わりについての考察を加え、特に三鷹市内の横穴墓については、内部形態の変遷による築造順序(編年案)の検討を試みました。
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