[本書の要約・見所]
武蔵野台地において、調査対象地の位置する立川段丘面で見られる「連続する凹地地形」や「埋没谷」は、古多摩川の複雑な流路の痕跡と考えられています。今回の発掘調査では対象地の南端部に埋没谷の一部が確認されました。それはかつて府中市の浅間山から野川本流に至るまで流れていたとされる「野水川」の一部と考えられます。発掘調査では周辺の地形分析や、10箇所の調査トレンチで得た土層データ等を基に、周辺の礫層上面の傾斜や、埋没谷の底に堆積する土壌の状況を解析することで、一帯の微地形について検討しました。
また、調査対象地内には東西方向に一直線に設置されたコンクリート製の溝状の構造物が発見されました。対象地は調布飛行場に隣接し、かつては一帯に旧日本軍の施設が配置されていた場所で、現在でも掩体壕2基が残存しています。コンクリート構造物は敷地内の古井戸から延びていて、当時の兵舎等への給水管埋設跡ではないかと思われます。この遺構についても写真、図版で紹介しています。
[閲覧情報]
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