[本書の要約・見所]
旧石器時代の調査では、立川ローム第V層〜第Y層上部において、5枚の文化層が確認され、石器集中部19基、礫群22基が検出されました。本書では各文化層の母岩別、石材別の石器分布を示し、特に第4文化層(W層下部〜X層上部)については、隣接する都道地区(「天文台構内遺跡V」に掲載)を含めて、石器の出土位置、接合関係及び属性により、検出された石器集中部の様相を詳しく述べています。また、出土黒曜石全点に蛍光X線分析による原産地の推定を行い、主要な産地となる信州系と伊豆系の分布状況を示しました。
縄文時代の調査では、草創期の爪形文土器をはじめ、早期の撚糸文土器、中期前半の勝坂式・阿玉台式土器等が、石器は磨石を中心に石皿・打製石斧・礫器等が出土しました。また、集石土坑4基がまとまって検出され、出土炭化物の炭素年代測定を実施しました。
近世の溝状遺構7条が現在の土地境界に沿った位置などで検出され、大正年間まで寺の敷地であった当該地の、土地利用の様子が推測できました。
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