[本書の要約・見所]
羽根沢台遺跡・横穴墓群は武蔵野段丘の南端部及び端部直下の国分寺崖線に位置しています。台地端部における旧石器時代の調査では、立川ローム第V〜]層に4枚の文化層を検出し、うち]層からは局部磨製の斧形石器が発見され、同層で検出された炭化物のAMS較正年代測定を行い、約3万5千年BPという結果を得ました。
崖斜面の横穴墓群では横穴墓10基を検出し(全体では12基で構成)、うち3基は昭和期に全調査、3基は墓前域が調査されたもので、今回の調査結果を含めそれらの概要も本書に収録しています。群は3〜4基を1単位とする3支群で構成され、埋葬人骨や玄室形態の比較等から7世紀中葉〜後半の築造と考えられます。一方、出土した須恵器は7世紀末〜8世紀前半の所産と分析されています。築造年代や追葬のあり方を解釈するために墓前域の土層堆積区分や埋葬人骨のあり方について詳細に報告しているほか、玄室内における土床や礫床づくり、壁面の掘削工具跡の観察記録も掲載していますが、総合的な解釈は他の事例の集積を待って、別稿に委ねることとなりました。
[閲覧情報]
国立国会図書館・都道府県立図書館・三鷹市内公立図書館及びコミュニティセンター等に配布しています。閲覧については最寄りの図書館等にお尋ねください。
[問い合わせ]
埋蔵文化財調査室 Tel:0422-48-9454
メールアドレス:
office@mitaka-iseki.jp